最近、漫画「ゴルゴ13」で、FX先物取引市場における日銀の為替介入の場面があったので、紹介したい。しかも、非常にリアルで面白かった。それは、「ゴルゴ13 第440話」である。詳しくは本編を読んでいただくとして、ざっとストーリーとアフィリエイトを紹介する。かなりリアルだと感じられると思う。場面は、イラク戦争後のアメリカ・ブッシュ政権。2003年9月。G7会議の直前の設定。その時、アメリカは、イラク戦争の戦後処理のまずさや雇用情勢の悪化で支持率低下状態。そして、FX通貨関係では、アメリカ産業界から現在のドル高を修正せよとのブッシュへの圧力。しかし、国家的には、ドル安が進んでしまうと、外国資本そのものがアメリカから国外に逃げる危険大。その脱毛結果、ブッシュ政権の頼みの綱は、やはり、日本からのアメリカ介入資金のみ。そこで、漫画で出てくるのが「タイス大統領補佐官」と「ローズ選挙対策顧問」の戦略。ちなみに、漫画上の「タイス」はライス大統領補佐官にほかならず、「ローズ」は、ブッシュの選挙参謀で有名なカール・ローブ大統領上級顧問にほかならない。選挙参謀のローズにとって、世界各国の首脳が会する「G7」は、「大事な選挙キャンペーン」にほかならない。つまり、このG7会議を通して、日本から介入資金を引き出し、外貨が減らないようにしつつ、同時にドル高からドル安への動きを実現し、産業界を喜ばせ、今後の票につなげる」目論見だ。その具体策をローズに聞くタイスに向かって、こう答える。「介入資金は円高・ドル安が進まないと出てこない。つまり、アメリカの長期金利を安定させるには、適度なドル安状況を作ってやり、日本から継続的な為替介入を引き出さないとダメだということだ。」と言い放つ。その後、その戦略にしたがって、「タイス」は、日銀副総裁の「マツオカ」に電話をかけ、イラクに対する無償資金を15億ドル拠出させるというストーリーである。この日銀副総裁とは、当時の武藤敏郎日銀副総裁である。これは非常にリアリティに富んでいるストーリーだと思う。その後、現実世界では、まさにこれに近いと思われる脱毛の展開になったと思う。さて、よく言われる「公定歩合」とは何なのか、政策金利と公定歩合とは同じなのか、違うのか、何が違うのかについて、簡単にまとめてみようと思う。先週、「日銀の政策金利」という言葉は流行ったが、この「政策金利」とは、無担保、つまり、担保ゼロで、金融機関同士は資金の貸し借りをするときに適用される利子のことである。正式には、「無担保コール翌日金利」と言う。そして、現在、この政策金利は、0.50%である。つまり、無担保での金融機関同士の貸し借りの際、利子は0.50%で貸し出しがOKですということである。これに対して、「公定歩合」は意味が違う。「公定歩合」と「政策金利」は、内容が違う。さきほどの「政策金利」は、金融機関同士の資金の貸し借りである。しかし、「公定歩合」は、日本銀行、通称、日銀が直接、金融機関に資金を貸す場合の金利のことである。そして、現在、公定歩合は、0.75%である。「政策金利」が、0.50%で、「公定歩合」が0.75%であるなら、金融機関はみんな、金利が安いほうの「政策金利」でお金を借りたいと思う。しかし、銀行の中で、経営がうまくいかず、信用が高くない銀行の場合、信用の問題で、無担保の「政策金利」での借金はOKにならないことが多いのである。しかし、そのまま、資金の借り入れができない銀行が増えてしまうと、日本全体としては、金融不安が蔓延し、預金者も預金引き出し騒ぎに発展するリスクが生じる。そのため、民間銀行同士での資金の借り入れを拒否された銀行に対し、条件として、担保を付ければ、必ず、日銀から資金をお貸ししましょうとなってるわけである。そして、その日銀に担保を差し出して資金を借りる際の利子が、「公定歩合」と呼ばれているものである。それが現在、0.75%ということである。しかも、担保さえだせば、その貸し出し金額については、青天井で貸しますと日銀が言っているため、たとえ、政策金利で借りれなかった銀行も、金融不安を起こさずに日銀から借りることになる。そういう仕組みを日銀と民間銀行間で作っている。